暑い夏、熱中症対策を忘れずに

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熱中症とは、気温や湿度が高いところで、体内から水分や塩分が失われたり、体温が上昇したりすることで、起きる症状の総称です。熱中症というと、炎天下でスポーツや作業をしているときに発症するというイメージがありますが、発症場所として最も多いのは室内で、特に高齢者の場合は半数以上が室内で発症しています。

熱中症の症状は、軽度(Ⅰ度)であればめまいや立ちくらみ、筋肉のこわばりなど、中等度(Ⅱ度)では頭痛や吐き気、嘔吐など、重度(Ⅲ度)になると痙攣や意識障害などが現れます。軽度から始まって、中等度、重度へと段階的に悪化することもありますが、なかには突然、嘔吐や意識障害など、中等度や重度の症状で発症することもあるので、注意が必要です。軽度であれば体を冷やすなどその場で適切に対処します。それでも回復しなかったり、中等度や重度と思われる場合は救急車を呼んでください。

この時期、日中に外出する際には帽子や日傘を使ったり、日陰を選んで歩いたりして、なるべく直射日光を避けるようにしましょう。首に巻いたりする冷感グッズを利用するのもおすすめです。

のどの渇きを感じなくても、こまめに水分を補給することも大切です。普段の生活では水やお茶でもよいのですが、スポーツなどで大量に汗をかいたときは、1リットルあたり1~2gの塩と砂糖40gを入れた水を飲んだり、梅干しを食べたりして塩分も忘れずに補給しましょう。スポーツドリンクもよいのですが、糖分の割合が高いので、気になる人は2~3倍に薄めるとよいでしょう。汗は睡眠中にも出るので、起床時や夜寝る前にコップ1杯の水を飲んで水分補給を行いましょう。

昼夜ともに室内の温度への注意も欠かせません。室温は28度以下が目安です。クーラーで室温をコントロールしたり、扇風機で室内の空気を循環させたりしましょう。すだれやカーテンなどで日中、直射日光を遮るのもよい方法です。

脳卒中や認知症、心臓病などにより、体温を調整する機能が低下することがあります。また、降圧薬や睡眠薬、抗不安薬などの中には、副作用として暑さを感じにくくなったり、発汗機能が低下したりするものがあります。こうした病気を抱えていたり薬を服用している方は、熱中症のリスクが高いことを意識し、水分補給などを忘れないようにしましょう。


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