スポーツファーマシストを知っていますか?

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olympic34_triathlon2東京オリンピック・パラリンピックまで1年を切りました。こうした競技大会でしばしばニュースになるのがドーピング問題です。スポーツの世界からドーピングを撲滅するために重要な役割を果たしているのがスポーツファーマシトです。

paralympic_wheelchair_basketball未成年のアスリートもドーピング検査の対象に

ドーピングとは、禁止物質や禁止方法によって競技能力を高め、意図的に自分だけが優位に立ち、勝利を得ようとする行為をいいます。どのような行為がドーピングに該当するかは、世界アンチ・ドーピング機構という組織が「世界アンチ・ドーピング規程」で定めています。

ドーピングというと、オリンピック・パラリンピックに代表されるような、世界規模の競技大会時に関係する問題と思いがちですが、決してそうではありません。日本国内で毎年開催される国体では2003年からドーピング検査が導入され、今日ではさまざまなスポーツの競技大会などでも実施されています。2015年には、世界アンチ・ドーピング規程が改定され、未成年のアスリートもドーピングの対象となっています。現在、スポーツをしている人や、将来スポーツ選手になりたい子どもも知っておくべき知識です。

sports_doping_muishiki不注意による「うっかりドーピング」

「うっかりドーピング」という言葉を聞いたことがありませんか。違反と知りながら行うドーピングではなく、うっかりミスで禁止物質などを体内に取り入れることをいい、日本ではこのタイプのドーピング規程違反が多いといわれています。

例えば、大会前に発熱したある選手が病院を受診し、風邪と診断され、処方された風邪薬を服用。ドーピング検査の対象となり、検査の結果、禁止物質が検出されたというケースが実際に起きています。

処方薬だけでなく、市販薬、漢方薬、栄養ドリンク、サプリメントなどにも禁止物質が含まれていることがあり、うっかりドーピングで違反を起こしやすいため注意が必要です。

ドーピングの専門知識をもつスポーツファーマシストbn04

日本国内のアンチ・ドーピング活動を推進する組織が日本アンチ・ドーピング機構(JADA)です。JADAが認定した薬剤師を「スポーツファーマシスト」といい、約9,500名(2019年4月1日現在)がこの資格を取得しています。

スポーツファーマシストは、ドーピングに関する専門かつ最新の知識をもち、アスリートやコーチ、サポートスタッフなどに対し、使用する薬に禁止物質が入っていないかの確認や、正しい薬の使い方の指導などを行っています。

スポーツファーマシストがいる薬局にはステッカーが掲げられているので、ドーピングについてわからないことがあるときは、気軽に相談してください。また、JADAのホームページ内の「スポーツファーマシスト」で探すこともできます。

~classA 薬局の健康情報紙 ライフ 2019年10月号より


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